本日の一冊
冷蔵庫の奥から、賞味期限切れのヨーグルトを発見しました。
「人生を変えなきゃ」と思いました。
まずは、朝のゴミ捨てから始めます。どうも、あんり収穫祭です
そんな情けない私の背中を、グイッと押してくれるのがアンソニー・ロビンズの『一瞬で自分を変える法』です。
自己啓発界のスーパースターが書いたこの本は、やる気ゼロの人間を「とりあえず行動する生き物」に変えてしまう不思議な本です。
書誌情報
- 著者:アンソニー・ロビンズ
- 訳者:本田 健
- 出版社:三笠書房
- 発売日:2006/11/1(文庫:2012/5/23)
- 単行本:270ページ(文庫:320ページ)
この本の概要
訳者・本田健さんは序文で「人生には恩師にまさる“恩書”がある!」と熱弁をふるいます。
正直、最初はこの熱量に引きました。でも読み進めるうちに、「あ、これは恩師よりうるさい恩書だ」と納得することになります。
アンソニー・ロビンズが、繰り返し伝えることは、とてもシンプルです。
「行動せよ。主導権を握れ。成功は目的地ではなくプロセスだ。」
…こう何度も言われると、さすがにソファから立ち上がって、テレビのリモコンくらいは片付けようという気になります。
究極の成功方程式
ロビンズが提示する「究極の成功方程式」はこんな感じです。
- 目標を持つこと
- さらに目標を持つこと(念押し)
- 結果をチェックすること
- 柔軟性を持つこと
なんだ、シンプルじゃないか。
けれども、私の「目標を持つ」は大抵「明日からダイエットする」なので、③のチェック段階で早くも脱落します。
それでもこのシンプルさが効くのです。やる気のない人間は複雑なことを覚えられないからです。
脳をハックするNLP
本書の大きな特徴は「神経言語プログラミング(NLP)」の紹介です。
人間の脳を望む方向に導くためのフレームワークで、「モデリング」という手法が登場します。
成功した人を見たら、「なぜ彼は成功したのか?」と即座に考える。
つまり、マネしてパクれ、ということですね。
私もすぐに「孫正義の朝の習慣」を調べましたが、資産10兆円はまだモデリングできていません。
リフレーミングの魔力
ロビンズが強調するのは「認知の枠組みを変える」ことです。
同じ出来事でも認識次第で、ピンチはチャンスに変わります。
たとえば、赤鼻のトナカイのルドルフ。普段はからかわれていましたが、暗い雪の夜にはその赤い鼻が大いに役立ちました。
また、ある軍の大将は敵に押されて退却を余儀なくされたとき、部隊にこう言い放ったそうです。
「我が軍は退却するのではない。反対方向に向かって進撃するのだ!」
私の場合、電車で寝過ごして知らない駅に降り立つと、普通なら悲劇ですが、「思いがけず旅に出た」と思えばロマンになります。
財布に100円しかなくても「無駄遣いしない才能」と思えば才能です。
これがリフレーミングの神髄といえるでしょう。
コミュニケーション術も学べる
本書は自己改革だけでなく、人との関わり方も教えてくれます。
ラポール
相手との間に「信頼関係」や「共通の絆」を築くこと。
相手が「この人は自分の味方だ」と感じると、こちらの提案が通りやすくなります。
ミラーリング
相手の仕草や話し方をさりげなく真似ること。
姿勢や声の調子を合わせるだけで、相手は「波長が合う」と感じます。
感覚タイプ
人は大きく「視覚タイプ」「聴覚タイプ」「体感覚タイプ」に分けられるとされます。
視覚タイプには「見える・イメージできる」、聴覚タイプには「響く・聞こえる」、体感覚タイプには「しっくりくる」といった言葉を選ぶと効果的です。
ただし私は相手の口癖を真似しようとしたら「バカ」と言ってしまい、ケンカになりました。
技術は正しく使いましょう。
この本から学べること
- 成功はゴールではなく、歩き続けることそのもの
- 脳はハックできる。内面のイメージを変えれば感情も変わる
- 他人の成功はパクってよし(ただし法律の範囲内で)
- リフレーミングで人生の意味づけを変えると、悲劇もコメディに変わる
- 信頼を築くには「ラポール」、説得するには「ミラーリング」や「感覚タイプの理解」が役立つ
まとめ
『一瞬で自分を変える法』は、行動する勇気を与えてくれる本です。
ただし読んだだけでは変われません。冷蔵庫のヨーグルトのように、時間が経てばまた同じ場所に戻ってしまいます。
だからこそ、読んだら即座に小さな行動を起こすべきです。
笑う、胸を張る、部屋を片付ける──それだけでも人生は変わり始めます。
疲れた夜は、つげ義春の『貧困旅行記』で現実逃避を。
朝になったらアンソニー・ロビンズの『一瞬で自分を変える法』で現実を変える。
この二冊があれば、まあまあ人は生き延びられるのではないかと思います。
以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました!
